コミケ初めての思い出


コミケに始めていったのは高校2年だったと思う。
さっぱりよくわからないまま新石氏のお声にホイホイ
ついて行った。 その時は晴海だった。

新石氏は、徹夜で行ってみようと言い出した。
「もう前日から集まっててお祭りみたいになっているし、会場にも
入れるんだよ。」この言葉に 上条はなんにも知らないがわくわくした。
(注※徹夜は禁止されています!)


東京駅の八重洲中央口に二人して到着。
バスの時刻表をみるともう終わっている。時間は11時40分頃だった。
結局始発(臨時増発が多いためか、朝の4時からあった)を待つことにした。

駅近くに、交番がありうちらはコミケの為の大きなバックを持っていたため
家出だと思われないかと、ちょっと交番から離れたトコロに
腰をかけることにした。しかしベンチはない。

ふと、階段があったが、ホームレスの方がもうくるまって寝ている・・。
電球のしたの植木が植わっているトコロに腰をかけ、あと、4時間もないねと
持参していたお菓子をあけて ウキウキ二人でしゃべっていた。

すると
新石「ワァ!!(驚)!!」
上条「ワッ!何??(゚Д゚;≡;゚д゚)!!!」
新石「かみじょ~ちゃん 下!下!!!!」

自分たちの足下をみてみると、
ゴキブリが1匹、2匹 近寄ってきている範囲に
また3匹 4匹 いたのだ。

あッ・集まってるーーーーー!!


わわわと、あわててその場から離れようと思った瞬間


?(゜∀゜)?!

上条「キャアァァーーーーッ!!(>_<)」



上条の左腕肘2,3センチ上ぐらいの位置にゴキブリが
乗っていたのだ!近ッ!!
焦った上条は、飛び跳ねて関節というすべての関節を可動させるような
もう全身をふるに動かしたいために、表現できない
奇っ怪な動きをした。


上条の頭の中では、腕についていたんだから、もう全身に
張り付いているかもしれないというおそろしい光景が浮かび
いてもたってもいられない。
「とってぇ~!!とってぇ~~~!」

採ってくれる訳もなく(近寄ることすら出来なかっただろう)
電柱の光の下でスゴイ勢いで不思議な動きを
する上条を呆然と終了するまで眺める新石氏。

はぁはぁと息を切らし、その踊りに終わりを告げた。
怖くなってその場から離れてバス停の車道との段差のところに
二人で座っていると、暗くてよくわからないけど、
30才~36才ぐらい?の男性が声をかけてきた。

男性「君たち コミケのバス待ってるの?」
うちら「はい」
男性「歩いていけるんだよ これから俺歩いていくけど一緒にいく?」
新石&上条はちょっと相談して ついて行くことにした。

今考えると、知らない人について行っていいのか??と思う。
その時は何にも思わなかった(爆)

オタクの共通点って急に近親感が沸いてしまう部分があってすぐ
仲良くなれる所もあるんだけど、悪用すれば簡単に何かにつかえそう。
もしかしてちょっと怖い落とし穴かなと今更 思ったり。。(本当に今更か・・)

話した話題は、コミケのスタッフも何回かやったけど、、とか
ぐらいしか覚えていない。やっぱりスタッフは、裏で並ばずに大手本を
手に入れられたりするらしい。(晴海の当時だけかも)
誰も歩いていない 暗い静かなビル群の中、歩く。

すると、この男性、道を間違えた(汗
ちょっと疲れてきて、ガクっとする新石と上条。

2,3人のそれらしきグループをちょこちょこ発見しはじめた。
晴海は近い!
上条「あの人達について行けばOKですよ!」
新石「そうだね!」

やっとこ、晴海に着いた。3時30頃だった気がする。

ついて気がついた。あの男性がいない・・・。
新石&上条「バイバイも何にも言えなかったね?」

中では、あちこちでグループになって笑ったり、話している人達が大勢いた。
上条は小学校の時から、夜中1時まで起きていたり
夏休みは涼しい夜中を中心に徹夜で漫画を書いていた(鉛筆とノートだけで)
したこともあったので 夜は強い。
新石もテスト前は、ユンケル飲んで一夜漬けなのできっと
徹夜はなれていることだろう。

お祭り的で夜中に遊んでいる雰囲気が上条的にわくわくした。

しかし、地獄はここから。

しばらくしてなにやら人達がざわめいた。

新石と上条はなにかな??とそのざわついた方に行ってみた。
スタッフ?らしき人が、こちらについてきてくださいと誘導し始めている様子。

なんだか、わからないけど新石&上条もついて行った。
なんだかんだと、ちらばっていた人達が、集まり列が出来た。

深夜に ぞろぞろと大群が移動し コスプレ館の下を通り
時折外にでたように思う。
そして、ピタリと動きがとまった。

新石氏と上条は どこかの館の中にいた。
いきなり止まってしまったもので 座るスペースもままならない
ギュウギュウ詰めの状態。どうにか体育座りぐらいの
1スペースがとれたぐらい。

しばらくして 強引に狭い面積でだんごむしのように
丸くなって転がって寝ているもの、あぐらをかいて下を向いて動かないもの、
具合が悪くなって 顔色が悪くなっているものなどなどが埋め尽くす。

館の床は本来の色は見えず、人間絨毯で覆い尽くされている。

その館は、窓が上の方にあって、風が通らず、本当に蒸し暑い。
それはまだいいが、とても息がしにくくなってきた。

絶対 酸素が足りないのだ。
寝ている人以外は無言で池の鯉のように口をパクパクさせている。
新石はうまい具合に転がって寝ている。

上条は?というと位置が悪く
ちょっと面積を広げようにも、人の足にぶつかる。
転がろうとすると、寝た真横に男性が寝てたり、お尻の位置に
男性がきてしまうなどなどうまくいかない。

一睡もできず、蒸し暑い中、池の鯉の仲間入り。

息苦しさと頭痛にはしてやられた。
とんでもなくグロッキーで、時間も長く感じたように思う。

そして、やっとこちょこっと動きだし、とまり、動きだし、とまりを
繰り返し、満天の夜空の下にでた。

その時の空気のよさと涼しさに感動した。
案の定、息も全然楽になり頭痛はピタリとなくなった。

そして、いつもの並ぶ駐車場に列を形成。
今よりも結構列はしっかりしておらず、各自敷物をひいて
そこで輪になって座ったりしているグループが多かった。

上条の前には100人ぐらいいた気がする。コミケからすると
実に最前列というべき位置だった。
(しっかりとした目的も 買う物もないこの上条が)

こんな恐ろしい困難を乗り越えないと、前列にはならべないのか?と
感じた。
列に並びながら、夜明けをみた。急に明るくなってきた。
なんかもう一仕事終えた気分だった。コミケはまだまだこれからだと
いうのに・・


そして日よけもないアスファルトの上に
今度は日干し。

すっかりコミケ焼けして帰った。(Tシャツ焼け)
食欲もなくなり、東京駅でのお菓子物色から、
家に着くまでは水分しかとれなかった。
そのおかげで2,5キロも一日(徹夜含)で痩せた(笑)

新石とコミケダイエットと命名。
なんて印象深いコミケデビューなんだろう(笑)



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