昔住んでた家。

 

上条の家は一回建て直しをしました。私が中学一年の頃です。
原因はシロアリでした。

とてもオンボロで、味のある思い出もつまった家です。
そこでの思い出を話します。

そこには父、母、長男M夫、次男H夫、末っ子長女上条の
5人家族で暮らしていました。木造2階立てで、敷地は
家2分の一、庭4分の一、車庫4分の一ぐらいに別れており、

庭では、物置の下で野良猫が子供を産んだり、
ウズラのヒナ?が飛べずにいたり、幼い上条がミミズをつかまえては
水の張った洗面器に入れて皆殺しにしたりして いました。

(子供は本当に残酷だね。)



家の中では子供ら3兄弟がおとなしくしているはずもなく、
いつも大暴れでした。
ある日 兄2人が、勉強机と壁の間で”おしくらまんじゅう”を
やっていました。(今、考えると なにが楽しくてたった2人で
おしくらまんじゅうをやっていたのだろう…)

m夫は壁に H夫は机につかまって懸命に
「おしくらまんじゅ~押っされって泣っくな~」と繰り返し ながら
踏ん張っています。

それを見た上条はぶの悪そうなやせてる 次男H夫のほうに
加勢し、2対1になりながら キャッキャッ言いながら参加したのです。


そして、盛り上がり絶好調その時に…!!

「ボコォッ!!」

M夫の手が壁に…めりこみ 家の壁が凹んだのです。

砂壁だったので その周り一帯の壁ももろくもくずれ
まるで月のクーデターのよう…。

ヤバイ・・・・。どうにかしないと怒られる。
ほっとくと、、、崩れていって壁の中に入っている鉄の編み目しか
なくなり、窓もないのに、外が見えてしまう・・・・。

3兄弟、ヤバイと思いながらも、しばし呆然・・。


すると、
地獄耳の母がすぐさま飛んできて 焦った3兄弟は
あわてて明星の ふろくのアイドルのポスターで隠すが、すぐにばれました…



3兄弟はそれでも飽き足らず、今度は
「ドキッ女だらけの水泳大会~~~!」と表し 風呂場で、
湯船に高い所からジャンピングで入る遊びを始め、
3人グルグル何週も 順番に行い、その後湯船に浸かる…と
いうことをしていたが案の定 


「あれ、湯船 の水…減っててるよ??」


異変に気付きよ~く調べると、石のタイルの湯船の底に
ヒビが…!!風呂場は改装しました。


ゴキブリもよく出て、父が

「ゴキブリをとらえ、殺した者には一匹につき100円やろう!」

と おふれを出した時は3兄弟そろって探しまくったりしました。

そしてうちの母は廊下で ゴキブリですべって転び
ゴキブリの体のパーツがバラバラになり、1メートルぐらい
伸びる事件まで起きる始末…。
出かける時、靴履いたらゴキブリが中にいて、素足の指で潰したりという
出来事もあった(笑)(M夫)



いろいろ他にもありますが、最後にあの家でのなぞを一つ………。

上条のうちの裏の外にでかい横1メートルちょい縦50センチぐらいの
水槽があったんで すが、もう回りはコケだらけで
なにが生きてるのか分からないような汚いものでした。

お祭りの金魚すくいでとった(余談だが、うちの母はプロ並みの腕の
持ち主で、100匹 近く金魚をすくう。特技はそれのみ)ものを
入れといてあるだけで、冬場は水面に 氷が張り、
こけだらけのガラスをじいっと覗いて、赤い色のものが通過するのが
見えると、「あっ…まだ生きてる!」と、時折その存在をアピールしていました。

弟切草に出てくるのにそっくり!ゲームで初めて見たときは
「あっこれうちの水槽じゃん。」と思った。


しばらくして家の中では熱帯魚が飼われ始め、
ますます影が薄くなった金魚でしたが あらたな発展が起こりました。

熱帯魚のための酸素を送る機械が新しいのに買い変 わってお古が
余ったから、金魚の水槽に付けるというのです。

なんせ、外。コンセントが ありません。


どうするんだろう…と思っていると、私の勉強机(兄のお古)の下、
足元左壁を兄2人が ぶち抜いて穴をつくっているではありませんか!!!


調度、私の左壁は水槽と背中合わせ…


”コッ…コンセントのためだけに壁に あっ 穴作ってる…。

そしてできたのが、直径13センチぐらいの丸い穴でした 。
壁なのに、そこだけポッカリ外が見える…。変な感じ… 。


コンセントを通し、ハイ!出来あがり。
そして兄2人はおもむろにヒビの入った使えない
吊るし系鏡を 穴の前に立てかけ、

「よし。」

と一言いい、 その作業に終わりを告げました。

それから、毎年冬になれば足が冷えて冷えて小学生の上条は苦しみました。



コンセント通すだけで、なんであんなにでかい穴をあけたのか?
なぜ、鏡を立てかけただけなのか?


なにが 「よし。」なんだろうか?
まったくよろしくない。今だもって上条家のなぞである。


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