自転車物語。

 



上条が初めて自分の自転車をもったのは、小学校3年の終わり頃でした。

上条には兄が二人いるのですが、やはり男の子のT字ハンドル、4段ギア?
付きチャリは乗れず、(足がとどかない)自分専用のものを
買ってもらうまで おあずけ状態でした。

それまでは近くに住んでいる一つ上のイトコ、○っコ ちゃんの
チャリを借りて遊んでいました。




その日もまた「○っコた~ん、あ~そ~ぼ~。」と家を覗くと、中から

「あ~ あきら(仮)ちゃん、○っコね~今習い事行ってるよ~?
もうすぐ帰ってくるから それまで遊んで待ってたらぁ~?」

と○っ子ちゃんのおばさんの声…・。


しめた!自転車 があるっ一人乗り放題だ!(≧∇≦)ノ

心は弾む。


「じゃあ、おばちゃん自転車借りて一周し てくるね~」
と返事し、上条はこぎだした。


しかし、なにか調子がおかしい…?いつもと乗りこごちが違う…ん?
そんなこんな で、とりあえず一周まわり帰ってくると、
○っコちゃんのおじさんがいた。


おじさんに チャリの異常を報告しようと近寄ると
おじさんの手に 2つの補助輪が!!

 

上条は 一瞬目が点になった。

 

そして改めて○っコちゃんのチャリを見る。

「ほ…、補助輪が…ナイ!!」


オー マイ ゴット!

上条はめまいを覚えた。

「昨日、補助輪とったんだよ~、乗れたのかい、あきタン!」

とおじさん。


後から考える とゾッとしたけど、そのおかげで
上条は難なく補助なしチャリをクリアしました。



そして、小学校4年になってやっと自分のチャリを買ってもらい
やっと乗り放題になった。

片手運転が左右出来るように なり、両手はなしも
坂下るような所なら少し(しかし5秒)出来るようになった頃…


「片手も両手も離せるようになったし、さて…」

と、しばし考えた次の形はーーーー?



”そうだ!右手で左ハンドルを持ち、左手で右ハンドルを
持ってみたらどうなるだろ… 出来たらかっこいいぞ…フフッ”



そうひらめいた上条は 早速その自分のレベル違いの
無鉄砲な作戦を 実行に移した。



「おわわわわ…!」


真っ直ぐ前に進める訳もなく、クロスした腕はスッカリ バランスを崩し、

すごい勢いでハンドルはガクガクと左右に揺れ そして

すごい速さで8の字を書きました。

あまりの速さと奇妙な動き に、あわてふためいた上条は、
そのまま急ブレーキをかけました。

あまりの急ブレーキに体は ヘッポコなクロス持ちのせいで
支えら れず前のめりに飛び出し、

その挙句ハンドルのえの部分に胸を

打ちつけ派手に転倒…。

青空がみえる・・・・・。


上条は 地面に大の字だった。
しばらくして起きようと体をおこそうとした途端…


「ウッ…」


”いっ息ができない!!ウガッ!死ぬ死ぬ!!!
スリキズだけなのに?息が…”


このまま、死んでしまうの???起きれないよぉー(>_<)!!!

転がったまま起きれず もがいていると、
近くを通りかかったおじさんが助けて くれました。


「胸をうって打ち身になっちゃったんだね、一回横向きになってから
起きないと苦しいよ。」


打ち身の意味が分からなかった。でも、起きあがることに成功した。


それから一回もクロス持ちは試してません。
絶対怖くて出来ない。やらない方が 身の為ですよ。


想像してみて下さい、すごい速さで8の字を書くんですよ。

はたから 見ればもう、衝撃映像です。

 

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